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2009年06月 アーカイブ

2009年06月08日

目標喪失と新しい理論の構成

ユングは自己の内面と向き合うために、チューリッヒ大学講師の職を辞し、1913年、フロイトの「リビドー」の定義を拡大させた自身の心理学を「分析心理学」として公に公表すると共に、フロイト及びその学派と訣別した。これをもって彼の精神の破局だと見なし[5]、ユングがこの時期精神分裂病に陥っていたとする見方もある。しかし、この時期を彼の「創造の病」の時期と見なす見方もある。[6]
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事実、ユングはなおも不屈の意志で研究を続け、一見無関係に思えていたことが、実は深い関係があることや、様々な無意識の働きを見出す。ユングは、湖[7]の近くに購入した家を、石匠の助力を得ながら徐々に増築し、それが自己の表現の一環となっていたことに後で気づいた。彼は自部屋で瞑想の時間をしばしば持った。研究の進展に行き詰まり、心を彷徨わせていたユングは、紙の上に落書きを描いていて、何故かそれが「円」に似た形へと向かっていることを見出す。後に「マンダラの研究」として纏められた「心の全体性」の象徴としての「円=マンダラ」は、このようにしてユングに自覚されたものである。

ユングはフロイトとの決別以後は、精神分析的手法とは別の治療法を模索した。最初は方向喪失していた彼はそれでも患者と向き合い続け、やがて患者の無意識の流れに任せることに、治療的意義を見いだした。

1920年、フロイトとの訣別の7年後、ユングは、45歳で『心理学的類型 Psychological Type』を公刊し、彼自身の独自の深層心理学理論を発表する。

2009年06月13日

グースの論文が発表された翌年、アンドレイ・リンデ

グースの論文が発表された翌年、アンドレイ・リンデ[4]やアンドレアス・アルブレヒトとポール・スタインハート[5]のグループはそれぞれ独立に、新しいインフレーション (new inflation) またはゆっくり転がるインフレーション (slow-roll inflation) と呼ばれるモデルを提唱した。古いインフレーションでは、インフレーションの元となるスカラー場があるポテンシャルの極小値に停留した状態からトンネル効果でポテンシャル障壁を越えて転がり落ちる過程としてインフレーションがモデル化されるが、新しいインフレーションモデルでは、古いインフレーションに比べてポテンシャルの形が極小を持たないほぼ平坦な形状になっており、このポテンシャルの上をスカラー場がゆっくりと転がり落ちるとされている。このモデルでは宇宙の膨張は近似的にド・ジッター宇宙になるだけで、ハッブル・パラメータは実際には減少する、すなわち膨張は減速する。古いインフレーションのド・ジッター宇宙では偽の真空の中に生まれるゆらぎのスペクトルは厳密にスケール不変になるが、新しいインフレーションでは近似的にスケール不変になるだけである[6]。このことはすなわち、インフレーション中のポテンシャルに関する情報を、宇宙マイクロ波背景放射のゆらぎのスペクトル指数を測定することで原理的に引き出せることを意味している。ゆっくり転がるインフレーションでは、インフラトンのポテンシャルがほぼ平坦な領域の終端まで達するとインフレーションは終わり、ここからポテンシャルの傾きは(エネルギー密度に対して)増加して、転がり落ちる速度も増加する。これがこのシナリオでの再加熱過程で、ポテンシャルのエネルギー密度の値に応じてインフラトンとの相互作用によって火の玉宇宙の輻射や粒子が生成される。
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新しいインフレーションは一般に永遠に続く。スカラー場は古典的にはポテンシャルを転がり落ちるだけだが、量子ゆらぎによって時にはポテンシャルの高い位置に再び戻される場合もある。これらの領域はインフラトンのポテンシャルエネルギーが低い領域に比べて非常に速く膨張する。従って、いくつかの領域ではインフレーションが終わっても、インフレーションが続いている領域は指数関数的に成長するため、インフレーションが起きている領域の方が常に宇宙の大部分を占めることになる。このような、ある領域でインフレーションが終わっても量子力学的ゆらぎのために宇宙の大部分でインフレーションが持続するという定常状態は永久インフレーション (eternal inflation) またはカオス的インフレーション (chaotic inflation) と呼ばれ、アンドレイ・リンデによって最初に提唱された[7] [8]。永久インフレーションが過去においても永遠かどうか、すなわち宇宙は無限の過去から続いているのかどうかについては疑わしいとする意見が多い[9] [10] [11]が、異論もある[12]。そのため、このモデルが宇宙の初期条件の問題を解決できるかどうかは未解決である。無限の過去から続く永久インフレーションというモデルは、主流派宇宙論における定常宇宙論であると見ることもできる[13] [4]。なぜならこのモデルは完全宇宙原理を満たすからである。

新しいインフレーションの拡張として、ハイブリッド・インフレーション (hybrid inflation) と呼ばれる別のインフレーションモデルもある。このモデルでは新たなスカラー場を導入し、ある一つのスカラー場が通常のゆっくり転がるインフレーションに対応し、別の場がインフレーションの終了を引き起こす。すなわち、インフレーションが十分長く続くと、第二の場が非常に低いエネルギー状態に落ち込む確率が増え、これによってインフレーションが終わるというものである

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